2021年02月24日

またも分厚かったけど

 ディーリア・オーエンズ『ザリガニの鳴くところ』読了。

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 動物学者が69歳で上梓した処女小説。傑作。ちょいと長すぎるきらいはあるが、エヴァーグレーズを思わせるアメリカの湿地帯でたった一人で成人していく少女の物語。展開は辛いけれど、読みごたえがある。60年代から70年代のアメリカって、まだこんなふうだったんだろうな南部だし。ミステリとして読むとどうってことないが、作者の動物学者としての知識や観察眼的なものも随所に見えて、そこも面白い。タイトルも、いい。螻蛄は鳴くけど、ザリガニも鳴くんだろうか。

 呉勝浩『スワン』読了。

スワン.jpg

 埼玉のレイクタウンをイメージしたといわれるこのスワン。そんな巨大ショッピングモールがあるんだな、なんて関心はしたが、作品のほうはなんだか最後まで感情移入できないまま終わってしまった。導入部分はスリリングで、展開も面白かったけれど、ラストも納得できないし。

posted by あーる at 23:52| Comment(2) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
『ザリガニの鳴くところ』題名にグッときました!読みます。面白そう。
Posted by 溺愛猫的女人 at 2021年02月27日 12:07
溺愛猫的女人さん
面白いです。作者が動物学者なだけに、自然の描写が細かくて、そちらも楽しめます。
Posted by あーる at 2021年02月27日 12:58
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