2020年08月26日

果てしない絶望

 畑野智美『神さまを待っている』読了。

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『東京貧困女子』など読んだけれども、小説として読んでみると、なんという絶望か! 最後は若干の解決策が出てくるけれども、なんでこんな目に遭わなくちゃいけないのか……助けてくれる王子さまはどこにもいないし、家族にすら頼れない。リアルで怖い小説。

 山田清機『パラアスリート』読了。

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 パラスポーツにもいろいろあるし、参加の仕方にもいろいろあると改めて思い知らされた。健常者の競技に、障害に合わせたランク分けをして挑むもの(陸上・柔道など)、障碍者のために作られ、段階の異なる障害の程度を強制的にそろえて行うもの(ゴールボールなど)、もともと高齢者・障碍者のために作られたもの(ホッチャなど)。そして、パラアスリートを取り巻く社会環境など。筆者が割と一般人のスタンスであり、自分と障碍者の間の関係に悩みつつインタビューをしているのがまた受け入れやすかったかな。

 小松左京『小松左京の猫理想郷』読了。

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 こんなに猫好きな人だったとは……! 本の内容としては同じようなエピソードが繰り返し出てくるが、『アニマ』などに載せた文章の博覧強記ぶりはすごい。やっぱりSFを書くのは頭がよくないとダメなんだなあ、と痛感。チャオ、チャー、等たくさんの猫たちのエピソードはとても面白かった。猫のベジタリアンもいるんだ!

posted by あーる at 23:50| Comment(2) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
猫理想郷、こんなに猫好きだったの?!と驚きました。あまり猫を書かれた話は無かった気がする。
Posted by 溺愛猫的女人 at 2020年08月29日 23:40
溺愛猫的女人さん
そうですね。でも、大好きな作品『日本アパッチ族』につながるような文章があって、よかったです。とり・みきの漫画もかわいかった!
Posted by あーる at 2020年08月30日 20:22
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