何となく、「こんな書き方はいかんよ」「つじつまが合わないでしょ」的なダメだし本かと思っていたのだが、全然違って、面白い論文をいろいろなところからほじくり起こして紹介してくれている本だった。面白い! 猫のいやし理論とかカップルの距離とか、大真面目に研究するのって、本当に面白い。何の役に立つのかはともかく。
サラ・パレツキー『沈黙の時代に書くということ―ポスト9・11を生きる作家の選択』読了。
シカゴの女探偵V・I・ウォーショースキーの生みの親の書いたエッセイ。9.11以降のアメリカにおける「愛国者法」成立から以後の恐ろしさや、探偵誕生のいきさつ、アメリカにおける女性の立場等、非常に興味深く読んだ。特に怖かったのは、図書館を通じた思想調査。日本は、たとえ共謀罪ができてしまっても、それだけはやっちゃダメだと思う。
有川浩『三匹のおっさん ふたたび』読了。
ラノベ風の表紙を忌み嫌う割に、この須藤真澄さんの絵は好きだったりして。挿絵もあって楽しい。
なんといってもこれは、あとがきを北大路欣也が書いているのがまた、内容以外のもうひとつの白眉かも。楽しんでやってるんだなあ、やっぱり。
楊逸『蚕食鯨呑--世界はおいしい「さしすせそ」』読了。
あの、楊逸さんのエッセイ。しかも、食べ物の話というから楽しい限り。ハルピン生まれの彼女が日本に来て食べたものから、故郷のロシアのパン、そしてほかの国々で食べたものなど、実に美味しそう。食いしん坊だから書ける、自分で料理をするから書ける、鋭い感覚があるから書ける。それにしても、うまく書かれた食べ物本って、本当に読んで楽しいんだよなあ。西園寺公一の中国グルメ本を読みながら残業飯を食べたのを思い出す。
【関連する記事】
ほんと、最近、ラノベ調の表紙が多くて、ためらわれます。。。
大人が手に取るには……ですよね。でも、今度フランク・ハーバートの『砂の惑星』の石森章太郎イラスト版が復刻されると聞くと、ちょっとほしくなってしまう……
ラノベ風は私も苦手で、とりあえず図書館で借りて良かったら買っています。人気があるから増えているのですよね?不思議だわ。
砂の惑星! それは買いですね。